先日の休みにえびの市側から、はじめて宮崎県の椎葉村に車で行ってみることにしたのですが、
その時の恐怖の2日間をお話します。
まず始めに、私は宮崎県の酷道265号線のことはyoutube等で知っていたので、絶対通るつもりはありませんでした。
ナビで調べて、今回は高速を通らず、一般道を通っていったことのない町もみながらゆっくり行こうと決めました。
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椎葉村へ行くには必ず高千穂町から 五ヶ瀬を通って行くルートで行くことをおすすめします。
五家荘にどうしても行きたい人は、人吉側から良い道を通って五木村の方から行ってってください。
熊本県の人吉は高速で通過はしていたものの、町は見たことがなかったので、
始めて下道で行きました。
えびのと人吉のループ橋をとおって軽く峠越えをして人吉に入りました。
人吉は、やはり山に囲まれた盆地でしたが、以外にも広々としており、
のどかな山郷で田んぼが広がり気持ちいい場所でした。
今回は通過するだけですが、そのうち球磨川下りもしてみたいと思いました。
カーナビが私を酷道へといざなっていることは、その時はまだ知りませんでした。
人吉から錦町を経て、九州山地の奥までやってきました。
水上村というところまでやってきました。
道路も広く2車線で気持ちよく走ってきました。
ところがです。。
椎葉はこちらという看板が見えた頃から道は離合できないほど狭くなり、
数十分して峠の上までやってきました。
幸い、離合する車も来なかったのですが、
向こうから車が来ないかずっとヒヤヒヤしていました。
さてさて、これで峠も越えたので道も広くなるかと思いきや
水上スカイパークというのがあり、数百メートルだけ道が広くなっているのですが、
すぐに道幅は狭くなり、そこからずっと山の中の離合もできない狭小酷道が続きました。
最新のカーナビが示す道なので間違いないと思って信じていきました。
でも、どんどんどんどん、
いつまでもいつまでも、、、
深い深い山の中を離合もできない山の中を走らなければならなくなりました。
何10分経ったでしょうか、
突然目の前に視界が開けました、飯干峠と書いていました。
とてつもない深い九州山地のど真ん中、永遠と続く山並み、どこまでたっても人家ひとつ見当たらない山深い狭小道路。
私は不安でいっぱいになりました、どうしよういつまでこの道を進めばいいんだろう。
どこまで行ってもどこまで行っても山の中狭いいっぽんみち。
車が通るとは思えないほどの狭さで所々ガードレールも壊れていて、ハンドル操作やブレーキを誤れば崖の下。
道路には木の枝や葉っぱや石ころが転がっていて、
向こうから来る車も全くないのですが、それだけ誰も通らないような過酷な道。
これを国道と言っていいんでしょうか。。
いやいや酷道です。
これが国道であるというばっかりにカーナビがこの道を示してしまったんだと思います。
と言うかプリウスについているトヨタ純正のカーナビは、今まで変な道を示したことは一度もなく、絶対の信頼を置いていました。
なので私をこんな過酷な道に案内するとは夢にも思っていませんでした。
それから30分?40分?1時間?
もうどれくらいたったか分からないくらい不安な思いで、265号線酷道を走り続けていたら、ようやく人家が見えてきました。
しかし人家が見えたからといって安心してはいけなかったんです。
椎葉村恐るべし。
後で知ったんですが椎葉に来るには熊本経由で高千穂五ヶ瀬方面から来るのが一番道路もよく走りやすいということでした。
それ以外の道は南の西米良村からの道や、諸塚からの道もまあまあ険しいとの事でした。
そして念願の椎葉に行ってきました。
椎葉村では有名な鶴姫屋敷や観光案内所に行き、また椎葉になぜか厳島神社もあり見て回りました。(厳島神社は平家討伐に来た源氏の那須家が妻の鶴姫の一族、平家の為に作ったといわれています)
とはいっても、小さな範囲にあり30分もあれば全部見て回れました。
ここまで来る意味があったんだろうかと私的にはちょっと悩んでしまいました。
歴史が好きな人ならいいのかもしれません。
ちなみに資料館があり、そこでお話しした人は苗字が椎葉さんということでした。
椎葉村の椎葉さんということでご先祖様の由来を聞くと、先祖は源氏と平氏らしいです。
源氏と平氏は敵味方でしたが、ココ椎葉村では結婚して子孫が現在に続いているそうです。
ちょっとここで酷道の話とはそれてしまいましたので話を元に戻したいと思います。
その日、五ヶ瀬に行き高千穂に泊まりました。
翌日せっかくだからまだ行ったことのない五家荘や五木村を通って人吉を通過し帰ろうと考えました。
そこで地図を見てみると、ちょっとやばそうだなというのがわかりました。
なので、ま、今回は五木村や五家荘に行くのはやめて遠回りでもいいので良い道を通って人吉を抜け球磨川でも見ながらゆっくりと帰ろうと思いました。
なのに、
なのに、
なぜなんだろう、プリウスの純正カーナビちゃん。
どうしてなんだろう。。。
僕は今回はあなたを信じてました。
朝、高千穂の町を出発し、なんとなく見ていたマップに載っていた山都町の蘇陽峡に入ってみました。
九州のグランドキャニオンと書いていたので、結構期待して言ったんですが、
グランドキャニオンじゃありませんでした。
まあまあ見晴らしがいい場所でしたがあまり感動はなく3分ぐらいで帰路に着きました。
途中、清和という所のスーパーで地元の手作り弁当を食べて満足し、いい気分で車を走らせていました。
何の疑いもなくナビの言うとおりに、進んでいると道路看板に人吉はこちらという文字がありました。(下益城郡美里町付近)
ナビもそちらを指すので、
何の疑いもなく曲がりました、初めは道が2車線で川沿いを走り気持ちいい田舎道を走っていました。
すると突然、
ちょ、ちょっと待て、、道幅狭くなったんですけど、、
でもすぐ広い道になるだろうと信じたかった。。。
とてつもないヘアピンカーブの登り坂が始まり、
道幅は一気に離合もできない1車線、
急登が続き、前日の265号線を彷彿とさせる過酷な道が始まりました。
まあ、前日に265号線を乗り切ったので、
今回はもうこれぐらいじゃ驚かないぞと多少の心の余裕はありました。
しかし、ここは恐怖の445号線でした。
265号線の非ではありませんでした、どこまでも続く細い細い急登り道。
もちろん離合できるスペースはあまりなく(多少はありますが、、)
所々ガードレールも壊れていて緊張が続く道が40分ほど続きました。
途中、なぜか余裕で離合ができるぐらいの道幅のところに車が停めてあり、50代ぐらいの夫婦が山から流れる川のほとりで涼んでいました。
おーおー、余裕だな。地元の人なんだろうな。
その人に、
「この道いつまで続くんでしょうか?」
と聞いたところ
「あと20分ぐらい登っていくと二本杉という頂上に着くよ」、
そこから道は広くなってよくなるよと言われました。
なんとか20分緊張の中山頂まで行くと、なぜか広い広場があり、ヤマメの天ぷらやヤマメ商品を売ってるまあまあ広いお店と食堂がありました。
そしてそのお店から先は綺麗な広い二車線の道路がついていました。
なるほど、五木村や五家荘から来る道はこんなにいい道だからこんな大きな店があるんだなぁ、
ふう、、
やっとこれで九州山地最強の過酷な道を制覇したぞ。。
、、と安堵の気持ちで広い道を走っていました。
ところがです。。。
なんと途中から今までにない恐怖が待っていました!!!!!!!!!!
おそらく1100 Mの山の山頂から降りているので、道路の標高は高い。
しかもこのくだりの道はものすごく見晴らしが良く、山は80°ぐらいありそうな角度の急峻な山で、その山肌にへばりつくようにうねうねと道がついており、まるでアンデス山脈の崖沿いの道路のようでした。
上の写真ではわかりにくいかもしれませんが、垂直に近い切り立った山に木が生えている感じです。
道路の向こう側の山を撮影しましたが、ここは、まだ山の上部をトラバースしているような道なので、この道路の下は数百メートル落ち込んでいます。
しかも、一車線しかなく対向車が来ればどうしていいかわかりません。
左側は垂直の岩壁が上が見えないぐらいまで続き、右側のガードレールの下は数百メートル下へと続く垂直の崖のようになっていました。
さらに、直線部分はほとんどなく、くねくねと続くヘアピンの連続で道の先が見えず、カーブのガードレールは壊れてるところも多々あり、
もしやここから車が何台も転落したのではないかと恐怖に震えました。
というより、今の自分のいる環境が信じられなく現実のものとは思えませんでした。
元々、高所恐怖症の自分がこんなところを車で走っているとは想像しただけで気絶しそうでした。
なので、心を落ち着けるので精一杯でした。
しかし、今更戻ることもできず戻るとしても地獄、行くも地獄、進むしかない。
一瞬のハンドル操作の遅れや ブレーキの遅れで数百メートル下の谷底へ真っ逆さま。
二度と上がってくることはできないでしょう。
そんな道がこれから何度も何度も続くのです。
そのような過酷な道を地獄のような道を進むこと数10分、
何度か対向車に出会いました。
幸い、対向車が来た時はギリギリ離合できる場所で車と車の間が2cmくらいでスレスレ通過しました。
そんな中、我慢できなくなり離合途中に
「こんな道があとどれくらい続くんでしょうか?」
「初めて来たんですけども怖くて仕方ないんです」
と聞いたら、
「この細い道はあと少しだよ、でもこの後何回も道が広くなったり狭くなったりするよ」
と言われました。
がっくりしました。
戦意喪失しました、でも実況ここに止まっていることはできません。
時速15キロぐらいで、ゆっくりゆっくりくねくねとする崖沿いの道をガードレール壊れてるような恐ろしい道を歩くように車で走り進みました。
何度か2車線の広い道が出てくるんですが、すぐにまた恐怖の道になってしまいます。
なんで、あんな広い道が作れるのに広くなったり狭くなったりしなきゃならないんだ!!
狭いにも程がある、崖沿いの道にも程がある、くねくねするにも程がある、ガードレールが壊れてるにも程がある、恐怖を煽る山の中腹をあまりにも見晴らしの良い崖沿いの道。
なんでこんな国道があるんだろう。
国道と呼ばないでくれ、カーナビが案内してしまうじゃないか!!
国土交通省の皆さん何とかしてください、道をこれ以上広くできないのなら
カーナビが示さないように、国道でなく酷道という新表記にして欲しいと切に願います。
走ってみなけりゃわからない、恐怖の国道に、今後、誰も犠牲になることのないようお願いします。
そんな酷道445号線を走ること約1時間半、緊張の連続の末、
五家荘に入り、さらに少し進むと五木村に入りました。
五木村まで入ってくると、ようやく道路は2車線で広くなり安心して走れるようになりました。
ここまでのあまりにもひどい精神的な疲れを癒すために、子守歌の里の五木村道の駅で一休みしました。
実はここから人吉までも、あと少し山道を走らなければならないのですが2車線あり安心して走ることができます。
これから宮崎県の椎葉村や熊本県の五家荘などに行ってみたいと思っている方に注意しておきます。
まず宮崎県の椎葉村へ行くには必ず高千穂町から 五ヶ瀬を通って行くルートで行くことをおすすめします。というかそれ以外はやめてください。
物好きで怖いもの見たさしんどくてマゾな人は265号線を行ってみてください。
(私はお勧めしません)
それから、熊本県の五家荘にどうしても行きたい人は、人吉側から良い道を通って五木村の方から行ってってください。
恐怖を味わいたい人や物好きな人は、445号線を上からやってきてみてください。
私と同じ恐怖を味わうことでしょう。
雨の日や風が強い日は避けた方がいいと思います。
もしちょっとでもスリップしたら車ごと数百メートル崖下に転落してしまう恐れがあります。
私はもう二度とこの道を通りたくはありません。
皆さんも同じような失敗をすることなく安心して楽しいドライブができること祈っています。
ではでは。