BPDの人を身近に知っています。
その人は、普段はとてもいい人で、まじめで親切で、何でも一生懸命やる人です。
そんな人が、ささいなきっかけで突然怒りだし、
それは、時にこの世の全てを荒れ狂う大嵐のように爆発することがあります。
しかし、大抵の場合は、その原因は本当に些細なことで、
BPDの人でない場合、気にするほどでもなく、
まして怒るようなことでもないのです。
しかし、
BPDの人は、そんなきっかけから怒りが爆発します。
そして、その怒りは相手へと強烈に向けられますが、
その実は、自分自身の中の悲しみと苛立ちと虚無感に包まれているように見えます。
怒りは、もちろん相手に向けられて、
誰が見ても、理不尽で理屈も通っていない場合がほとんどです。
でも、全て
「お前が悪い!」
「お前のせいで私は何もかも我慢しないといけない!」
「お前は何もしてくれない!」
「お前の態度が悪い!」
「お前は思いやりが無い!」
「お前は私のことを全然わかってくれない!」
「お前は私のことなどわかるわけが無い!」
と怒涛のごとく雷鳴のごとく怒鳴り散らし、
時にものを壊し、自分まで自傷する人までいます。
とにかく、自分の中にどうしようもない悲しみがあり、
その悲しみの元をどうすることも出来なくて、
自分自身が壊れそうになってしまいそうになっているように見えます。
しかし、何とかしたい。でも、どうせなんともできない。
そういう心のループがあるように感じます。
ずーっと、その状態では生活など出来るわけが無いので、
心と体が自己防衛するために、普段はわすれているのでしょうか?
そういえば、そのBPDの人は、普段からよくいろいろ忘れやすいです。
ちょっと過去の事もすぐに忘れます。
それは、おそらく自己防衛かもしれません。
一般には、BPDなどの方の多くは、子供時代の親からの愛情飢餓が原因だといわれています。
しかし、そのBPDの方は、それを絶対に認めようとはしません。
もしろ、ほとんどその人に何の落ち度もなく、
むしろ親切でやさしい身近な伴侶や恋人に怒りが向けられます。
それは、今となっては理由もわかります。
実は、自分の親が自分をちゃんと愛してくれなかったとして、
自分の親が、ありのままの自分を愛してくれなかったとして、
自分の一番大好きで、信頼している親が、自分を好きだと感じられなかったとして、
その子供にとっての親は世界中にたった一人しかいないのだし、
自分もその親の子供なんだから、
その親が悪いからという事で、
自分自身まで否定しなくてはならなくなる。
そういうジレンマというか、
思いが、新たに身近になった伴侶や恋人に向けられているのだと感じます。
なので、たいていの場合、
BPDの人が怒りを向ける矛先は、身近な伴侶や、恋人になるのです。
実際、BPDの人の多くは、
会社や社会コミュニティの中ではいい人で礼儀もよく、まじめな人の場合が多く、
BPDの方の爆発的な怒りや、
激しい衝動を感じることはほとんど無い場合が多いと思います。
しかし、勘違いされないでください。
BPDの人は、単に普通の人と違いおかしいとか、甘えているとか、わがままとか、そういう事ではありません。
彼女、彼らの中には、本当の意味での愛情が必要なんです。
愛情というときれいごとのように感じるかもしれませんが、
もしろ友情といったほうが適切かもしれません。
本当に大切な友人はいますか?
もしいるとすれば、その友人に対するように、BPDで深い悲しみと寂しさで怒りに震える人に接してあげてください。
BPDの人は、心の中でさみしく泣いている子供がいるような感じです。
いかりの原因は寂しさと悲しみです。
大人であっても、その中に小さな小さな寂しい子供がいるような感じです。
もし、あなたがそのようなBPDの人のそばにいて、
今の状況を何とか好転させたいと願っているのでしたら、
まずは、恋人であっても、伴侶であっても、
その人の大切な友人になってください。
そして、その人を自分の子供のように愛してください。
実際、今現実にBPDの方と日々問題が起きている方にとってとても難しいことだと思います。
BPDの方からの暴言や暴力に疲れ果てているかもしれません。
本当に、自分自身に手に負えないときは、すぐに逃げてください。
そして、自分も引きづりこまれてつぶれないように、無理はしないでください。
そして、そんな中でも、
もし、あなたがその人の問題(悲しみ、寂しさ、からくる激しい怒りの問題)を解決したいと思うときは、
友人のように、自分の子供のように接してあげてください。
形だけで、心の奥では「~してやっている」というのでは、BPDの人はそれを敏感に察知します。
BPDの人の心の穴を埋めるのは、
BPDの人の寂しさと、悲しみを埋めるのは、
BPDの人が自分をありのまま認められて愛せるようになるためには、
BPDの人と一緒にいる家族や恋人が幸せになるためには、
BPDの人の中の、小さな小さな、まだ幼いあどけない子供のその子を心から愛し続けてください。
それは、1回2回ではすぐに埋まらないでしょう。
でも、どんな穴でも、埋め続けていれば、穴はいつかは必ず埋められてゆきます。
あなたが、この世界に来たのは幸せになるためです。
そして、あなたが選んだ道、選択したことが、
すべてあなたの人生を作ります。
自分を信じて、自分の選択を信じて幸せになってください。