境界性人格障害BPDまたはアスペルガーなど、
精神的な弱さやハンディキャップを持った方が世の中には一定程度いらっしゃいます。
家族の中にそのようなハンディキャップを持った方がいる場合、
多くの場合、家族関係の中で様々な問題が起こります。
そして心療内科や、ときには精神科の病院等で解決策を模索しますが、
境界性人格障害の場合、薬や病院での治療と言うよりは、家族や近い人の対応(BPDの人に対する見方)は重要だと感じています。
私の経験上そのような方を見てきて、1番効果的だと思われる方法は、
BPDの方を、そのような障害(あえて障害と言います)をもってない人と同じに考えないほうがいいという事です。
普通なら、こんなことしたり怒り狂っていたらおかしいとか、
自分自身も損するよとか、正論を言っても無駄なのです。
正論を言って、良くなるようにアドバイスしてあげてるつもりでも、
そうしたくても自分でどうすることも出来ない障害なので、
そんな自分はダメだ価値がないなどなど、自分の存在をとことん否定されているように感じるだけで、火に油を注ぐようなものです。
BPDの方の激しい怒りは、ほとんどがBPDの人の自分自身に対する非難、中傷を必要以上に感じてしまい、自分自身を何とか守ろうとしている状態なのです。
そして、その怒りは、ほとんどの場合、家族や恋人など近しい人へ向けられます。
それが、あまりにも尋常じゃないのでオカシイとか、
やばい感じに思えるのですが、
BPDの人は、「責められる」とか「自分が間違っている」ということ、自分の間違いを認めるのが非常に難しいのです。
もちろん、BPDの人の為に良くなればと思って言ってあげているつもりでも、
「自分が責められている、自分を責める相手はいやなやつだ、私を苦しめるのはお前はひどいやつだ」と感じてしまうのです。
なぜなら、
BPDの人の多くは、幼児期に親(恐らく多くは、母親)からの、
否定の言葉を常に言われていたり、
また、ちゃんとしていない自分はダメな人間だとか、
思わせてしまう言動を受けていている場合が往々にあります。
でも、それは過去のことなのですが、
成長期にあまりにも強烈に刷り込まれてしまうと、
脳が萎縮したり、
ニューロンの回路がそのような反応をする部分を持ってしまうのではないかと思うこともあります。(これは、想像なので、科学的にはわかりません。)
でも、BPDの人に対して、
ある意味、この人は自分自身でどうするころもできない障害を持っているんだと見ると、
この激しい怒りは自分自身でもどうすることも出来ず苦しんでいるんだと思うことが出来てきます。
そうすると、BPDの人が怒り狂っているときでも、
不満や苛立ちも減り、冷静に見ることができてきます。
そして、だんだんとBPDの人が怒りに狂っているときでも、
「この人、おかしいんじゃないか!」とか
「病院にいって直させようとか」とか
「こんなおかしなやつ相手するとこっちまでどうかなりそうだ」とか
少しづつですが、
思わなくなってきます。
BPDの人は、自分の甘えや弱さ、そのままの自分を認められないと無意識に感じています。
それは無意識の中なので、意識的にはそう思っていないかもしれません。
しかし、BPDの人は、ありのままの自分を認めてもらえない、愛してもらえないと思っています。
人間誰しも、失敗もするし、綺麗な心もあれば、ちょっとずるいことも、怠けたい気持ちも、甘えたい気持ちもあるのが普通です。
でも、BPDの人にはそれをするのが難しいんです。
なぜなら、そういう自分を認めてもらえない、愛してもらえない、
極端に考える場合、自分自身の存在自体価値がないとまで思ってしまいます。
なので、自分以外の人から、
自分が否定された、責められたと感じると猛烈に反発して、
自分自身の存在価値と心を必死に守ろうとしているのです。
そのようなBPDの人の心の動きと障害を見つめて接することで、
BPDの人が、子供の頃から長い間苦しんできた、自分自身の価値や思いを
溶かしてゆくことが出来るのだろうと感じています。
全ての人は、自分自身で選択してこの世界に生まれてきたといわれています。
そして、多くのコントラスト(違い)の中で、自分自身の選択の自由を使って
様々な経験をして、沢山の喜びを得るためにこの世界に生まれてきていると思います。
BPDの人は、たまたま育ってくる過程で、
そうなってしまう影響を受けたかもしれませんが、
みんな幸せになることができると思っています。
BPDの人の怒りが激しすぎて、今現在悩んでいる人にお伝えします、
解決策はあります。
人は多くを経験し、喜びを得、愛を学ぶのだと思います。
この世界のすばらしいものに感謝をし、明るいほうを見てゆきましょう。
きっとその先に、奇跡があると思います。
BPDで苦しんでいる人、そのご家族、友人、恋人も信じてみてください。☆